中敷きを入れて終わりにしないための一冊です。朝の一歩目を変えるのは、道具そのものより、はき方と一日の過ごし方のほうです。読むのに10分かかりません。
足の裏には、かかとの骨から指の付け根まで、太いすじが1本通っています。土踏まずを橋だとすると、すじは橋の下に張ってあるロープです。
立つと体重で橋が沈み、下のロープが引っぱられる。その力は、いちばん細いところ、つまりかかとの付け根に集まります。これが一歩ごとに起きます。1日8,000歩なら8,000回。立ち仕事なら1万回を超えます。
だから朝の一歩目がいちばんつらく、歩いているうちに楽になります。
楽になるから「たいしたことない」と思って、また1日1万回に戻る。この行き来が続くかぎり、かかとの付け根にかかる力は1回も減っていません。
狙うのは痛みではなく、沈む回数のほうです。
やることは2つで、2つ同時でないと意味がありません。ひとつは、歩くたびに土踏まずが沈むのを止めること。橋が沈まなければ、下のロープは引っぱられません。
もうひとつは、それが仕事の終わりまで変わらないこと。引っぱりは一歩ごとに来ます。朝だけ支えても、昼に潰れたら、そこから先は何も入れていないのと同じです。
土踏まずを1か所だけ盛り上げて持ち上げると、今度はそこが痛くて履けなくなります。上の8つの粒で体重の乗る点を散らし、下の六角の底で、踏まれたところだけが沈んで押し返す。面で持ち上げて、点で突かない。
自分の中敷きを見分ける方法はひとつです。夕方、指で押してください。朝と同じだけ戻りますか。戻らないなら、そこで潰れています。潰れた上では、土踏まずは今日も同じだけ沈んでいます。
アルコットも沈みます。ゼロではありません。180日はいて0.8ミリでした。
慣らす期間はありません。いつもの靴の中敷きを1枚入れ替えたその日から、一日中お使いいただけます。
裏側にサイズごとのカット線があります。靴に対して長い場合は、ふつうのハサミで線に沿って切ってください。かかとと土踏まずの支えはそのまま残ります。
ぬるま湯と中性洗剤で手洗いします。洗濯機と乾燥機、ドライヤーの熱風は使わないでください。形が変わります。洗ったら陰干しで完全に乾かしてから戻します。直射日光は避けてください。
日数では決めません。夕方に指で押して、朝と同じだけ戻らなくなったときです。そこから先は、支えていない時間のほうが長くなります。
かかとが左右にぐらつく靴だと、中敷きが支えても足がその上で動きます。かかとを指で挟んで、左右にねじれない靴を選んでください。ひもやベルトで甲を締められるものが確実です。
片足に体重を預けて立つ癖があると、その足だけ沈む回数が倍になります。信号待ちやレジ待ちで、両足に半分ずつ。これだけで一日の回数がかなり変わります。
「痛かったら休む」は、最初の数週間までの話です。休むほどすじは縮み、縮んだところに次の朝の一歩目が来ます。支えた状態で動くほうが、支えずに休むより足には楽です。
2週間たったら、毎朝つけた10段階を並べて見てください。日によって上下しますが、見るのは平均ではなく、いちばん悪い日の数字です。平均より、悪い日のほうが先に動きます。
使っていて分からないことがあれば、そのまま聞いてください。サイズの合わせ方でも、カットの位置でも構いません。
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